大疾走[大疾走]初夏ののどかなある日の事だった。 私は建設省のトある維持出張所へ書類を持って行った。 渡すだけなのですぐ帰るつもりだったが課長が「急ぐの?」と 聞くので「いいえ」と答えた。 「そしたら、いいとこへ連れてってあげる」と言うので喜んだ。 課長は駐車場へ連れて行き、おおきなRV車に乗り込み 私にも乗れと言った。 そう、あの黄色い大きな、前と後に大きなウィンチをつけたクルマ! 私は喜んだ。 助手席に乗るのも大変だ。 車高がべらぼうに高い。 やっとこさ乗って高速道路の続きの道路へ出た。 (関西の人はこれでどこかおよそ見当がつくと思う) とても素晴らしい道路だが一応国道になっている。 課長はいきなりサイレンを鳴らしてスピードを上げた。 気持ちイイ! 見晴らしもイイ! 前を走っている車は普通車だけでなく、大型車もミキサー車も何もかも両端へよける。 停まるものも・・・。 センターラインをまたいでスイスイどころかゴ~~という音を立てて走る。 スピードメーターを見た課長は「気持ちいいやろ!180キロ出てる!」と得意気に言った。 制限時速60キロのところを3倍の猛スピードだ。 「捕まったらどうするの?」と聞いた。 「通報があったので行く所です。と言えばいいさ」と・・・。 そしてパトカーセンターのある手前からサイレンを止めて スピード落として過ぎるとまた鳴らしてスピード上げて走った。 県境まで往復走った。 梅雨時になると思い出す。 次へ ホームヘ ジャンル別一覧
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